ここ2週間ほどの間、これまでの『自分の作風』として確立してきた仮面だけの個性を破壊するため、さらに深くにある根源的なイメージを探り出す作業をしていた。
この数年は宗教画などの影響を受けたスタイルで描き続けてきたが、私の根源にあるらしいドロドロしたモノと、宗教的なモチーフや内容が折り合いを付けられないようになってしまい、もはやそれらを描くことに心地よさを得られなくなってしまっていた。
こうした心境の変化と平行して、ここ1年ほどは瞑想などによって自己の内部と向き合うということをしていた。私は元来、感情表現と言うものに疎く、外部からは感情を閉じているように見られがちであり、自分でも自分の感情を把握できないこともある。そのため、とくに感情を観察すると言うことに重点を置いていた。
そして、そこから感じられたもの(感性?)を然るべき形に昇華するために描いてみようと思いついたのが2週間前。
偶然にも翌日に知人から同じ提案をされて驚いたものである。
そして描いたものが上の写真にあるものたちだ。
殆どはコンテで描いたもので、色は色鉛筆かパステルで着色してある。
御見苦しい畳の上で撮影したもので申し訳ないが、順番に並べてあるので、これまでの『個性』が如何に消失し、根源的なイメージへと置き換わってゆくかを見ていただけたらと思う。
この作業には、これまでの制作に付き物であった苦しみや悩みが皆無であり、イメージも驚くほどスラスラと出てくるが、その代りに反動があるのではないかと少々気になっている。
描き方は一種のオートマティスムのような感じもあるが、イメージ自体は最初からほぼ完璧な形で存在しており、自己の内面を見つめながら描いている。
2009-09-09 Wed 18:58
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